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2011年12月20日 (火)

皆既月食(地球の影)

今回の皆既月食は、一昨日の記事に書いた夜露の他にも撮影上の失敗がたくさんありました。何かと忙しい学期末の時期だったので、あれもこれもと手を出さずにいたのですが、それでも準備不足でした。

地球の影の描写については、はじめ恒星時追尾をした望遠鏡で連続撮影を行う予定でした。しかし、子午線越えの問題、月食の全経過と北極星が同時に見える場所の選定の問題(庭もドームのベランダも狭い)、問題なく動作するカメラの調達の問題(天文用に改造したニコンD70が最近不調気味)などから、早い時期からあきらめました。

代わりに考えていたのが、星ナビ12月号p.41に載っていた方法(ステラナビゲーター9で「地球の影を追尾」モードにして月をシミュレーションした画像を作り、そこに本物の月の画像を重ねて貼り付けていく)です。
これならば、とりあえず月の画像を撮影しておけば、後からどうにでも合成できると思った次第です。

ところが、ステラナビの「地球の影を追尾」がうまくいきません。ボタンを押したとたん、なぜか画面中央が「かに座」付近に切り替わってしまうのです。試行錯誤を繰り返した結果、昨年12月の皆既月食も同様の症状が見られ、2000年7月16日の皆既月食では、ほぼ正常に描画できることも分かりました。

この件についてはAstroArtsに問い合わせておいたのですが、休日明けの昨日、早速返答がありました。結論から言うと、9.1アップデータの不具合だそうです。また、この件については、次回以降のアップデータで修正する予定だそうです。
20t1000さらに取り急ぎこの問題を改善するために作成した「臨時修正モジュール」を送ってくれました。さすがAstroArts、対応が素早く丁寧です。

こうしてやっと左のような目的通りのシミュレーション画像を作成することができました。

201000p今日になって、このシミュレーション画像を元に実際に撮影した画像を合成して行き、なんとか「地球の影」を表すことができました。

単に合成しただけでは、露出の多少によって欠け際の描写が異なるため、地球の影の形が不自然になりがちです。そこで各画像の明るさなどを補正してみたのですが、いかがでしょうか。

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